大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和27年(オ)990号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人大塚久一郎同佐藤親弘の上告理由第一、二点について。

旧民法において、法定の推定家督相続人がその相続権を喪つた当時出生しておらなかつたその直系卑属は、戸主の死亡までその戸籍に入籍していたと否とに関係なく承祖相続をする権利を有しないものというべきである。そして原審の認定した事実によれば、上告人は父政章が戸主庄吉の法定の推定家督相続人たる地位を失つた後に出生したのであるから父政章の承祖相続人たり得ないことは明らかである。論旨は独自の見解に立ち右と同旨の見解に基く原判決の判断を彼是非難するものであつて採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎 裁判官 池田克)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例